皆さんはAC/DCというバンドをご存知でしょうか。1970年代からゴリゴリのハードロックを奏で続けているモンスターバンドです。
私はこのバンドが大好きで、先日もオススメアルバム5つという記事を書きました。しかし、オススメアルバムは全部だよ!という自分の中の声を抑えることができず、「全部のアルバムおすすめしてしまえ!」という神の声に従って全部のアルバムを超主観的な推薦文とともに紹介していきます。
細かいプロフィールはWikipediaさんにおまかせ。
推薦文だけでもつまらないでしょうし、アルバム試聴とYouTubeの映像を貼り付けました。試聴はApple Music、映像はYouTubeのAC/DCオフィシャルライブ映像です。典型的なライブバンドなので、スタジオ盤を聴くよりも生演奏の方が魅力的に聴こえるかもしれません。
それではいってみましょう!
High Voltage (1976年)
彼らの記念すべきメジャーデビューアルバム。
先行してオーストラリアで発売されていた同名アルバムと「T.N.T.」というアルバムを合体させたものです。いいとこどり!
リードギター、アンガス・ヤングの単独ジャケット1回目。
チャック・ベリーなどのオールディーズから強く影響を受けたとされる彼らの最初期の方向性は、かなりブルース寄り。
The Jackなんて特にその傾向が顕著で、全編に渡って泣きのギター。
ハードロックをイメージして聴き始めると、少し違った印象を受けるかもしれません。
ブルース・ロックのアルバムと思って聴くとピッタリきました。
音は若干ロー絞り気味。
ミドル・ハイをブーストしている感じで、全体的にシャリシャリしています。
Highway to Hellまでは大体この傾向の音作り。
ボン・スコットの声に合っていて、私は好きです。
ライブ映像を入れると言っておきながら、いきなりPV。
このアルバム曲のボン・スコット版オフィシャルライブ映像ないんですもの・・・。
アンガス・ヤングが学生服姿で暴れまわり、リズム隊がシンプルなリフを安定して刻み、ボン・スコットの甲高いしゃがれたボーカルで歌い上げるっていうパフォーマンス。
今日に至るまでの骨格は、最初期から固まっています。
音楽性も40年間概ね変わらないので、シャッフル再生でこのアルバム曲から最近の曲に飛んでもあまり違和感ありません。
未だにライブで演奏される曲が多く、間違いなく聴く価値ある作品です。
Dirty Deeds Done Dirt Cheap (1976年)
ジョジョのスタンド名で知った人もいるんじゃないでしょうか。D4Cってやつです。
High Voltageよりも高音が抑えられて低音がブーストされた結果、
かなりハード寄りな音にシフト。
だいぶロックしてきましたが、表題曲やRockerを始め、
ブギーとロックとブルースの中間くらいの楽曲が多いのがこのアルバムの特徴。
ハマる表現を探していたら、ハードブギーってやつがしっくりきました。
でも、軸は全くブレません。
このアルバムが発表された1979年の「Rocker」ライブ版が以下の映像です。
サッカーユニフォームを着てボールを蹴り飛ばすところから始まり、客席に降りていって肩車されたりと縦横無尽に動き回るのに全くブレないアンガスのリードギター。
アドリブ力もそうですが、一体どんな練習すればこんなに正確なピッキングができるのか…
Let There Be Rock (1977年)
ジャケットは一番好き。レコードで見つけたら多分買っちゃいます。
収録曲数は8曲と、他アルバムからすると控えめ。
このアルバムから音作り・曲作りともにロック方面に舵を切り始め、音もドンシャリ傾向になり、ハードロックに近づいてきました。
Highway to Hell迄のバランス良いハードさが形作られる基礎となった作品だと、
私は勝手に位置づけています。
タイトル曲。ボン・スコットのボーカルで聴くとめちゃくちゃ映える。説得力。
ブライアン・ジョンソンだと甲高すぎるんですよねぇ。
ゴリゴリした音の中では、この甲高いしゃがれた声がくっきり浮き出て気持ちよいのです。
タッピングを失敗しているアンガスも好き。PVだと天使のコスプレしてます。
Bad Boy Boogieのライブ版もありました!このアルバム内で一番好きな曲です。
サビの切れの良いリフがとても好き。
観客との距離が近すぎて、スタジアムツアーばかりの今では考えられないですね。
Powerage (1978年)
アンガスの単独ジャケット登場2回目。手がカラフルなコードになってます。
近年のライブで演奏される曲も少なく、他のアルバムと比較するとどうしても地味な印象。
しかし、前半曲のリフは他のアルバムに引けを取らない勢いがあり、後半は捻りの効いた曲が多く試行錯誤していたことを感じられます。
トータルバランスでみると、とても良いアルバムではないでしょうか。
このアルバム内で私の好きな曲No1、Riff Raffのライブ映像がありました。
しかもアポロ・シアター。
メジャーデビューから3年程での大舞台、一気に駆け上がってきたのでしょう。
舞台はどこでも、内容はいつものAC/DCです。
If You Want Blood You’ve Got It (Dlx)(1978年)
ジャケットがだいぶ刺激的なライブ版。High Voltage〜Powerage迄のベスト的選曲。
録音状況も非常によく、ボン・スコットのボーカルも冴えている(個人的にはスタジオ盤より好き)ので、初期のエッセンスだけ知りたいって人や入門用で何聴けばいいか迷ってる人向けに1枚挙げるなら、このアルバムがいいかもしれません。
Highway to Hell(1979年)
個人的ベスト・アルバム。まさに「ハードロック」そのものだし、音のバランスよし、収録曲に捨て曲なしと否の付け所がありません。唯一の残念なポイントは、ボーカルのボン・スコットが参加した最後のアルバムということでしょうか。
音の特徴としては、ベースとドラムがだいぶ前に出てくるようになりました。これまでライブセットと同じようにボーカルとギターが全面に立って後ろにベースとドラムという音作りでしたが、全パートくっきり聴こえやすくなりました。
このアルバムはPVが複数残っているので、貼っておきますね。全部セットは同じで、ひたすらライブをするだけの、超シンプルなもの。でも、それだけでカッコイイんですよね。ディレクターは魅力をよく分かっている。変にコマーシャルでポップな要素は要らんのです。
まとめ
今回はAC/DCの1970年代のアルバム、つまりボン・スコット在籍時の作品をまとめました。この時期は作品の発表ペースがとても早く、ライブ盤を含めても3年で5枚ものリリースを行っています。とんでもない…。どの作品もコアは同じですが、音作りや曲作りの方向性には若干違いがあるので、よく耳を澄まして聴くと面白いですよ!
さて、次回はボン・スコットが亡くなったことから、ボーカルがブライアン・ジョンソンに交代したBack in Blackからのスタートになります。よろしければまたお付き合いください。
それでは!
<2018年11月11日追記>
1980年代編書きました!