音楽

【全曲紹介】電気グルーヴ – A

【全曲レビュー】電気グルーヴ – A

電気グルーヴのアルバム『A』の全曲紹介です。

『A』は、1997年5月14日リリースの電気グルーヴの7枚目のアルバムです。

前作『ORANGE』と同様、全11曲中10曲が歌有りとなっており、歌詞も語感を重視したふざけた内容が多いです。ただ叫んでいるだけで、歌っているかと言われると怪しいものもありますが。

サウンド面は『ORANGE』から進化しており、よりグルーヴィーに、よりジャンルの幅の広さを志向していこうという意思が感じられます。TB−303といったこれまで多用されまくっていた機材も鳴りを潜め、新しい方向性へ舵を切っていっています。

シングルカットされた「Shangri-La」のヒットも牽引してセールスも好調でした。まだまだ小室ファミリー関連楽曲がランキング上位を取りまくっていたCDバブルであったこの当時でも、オリコン週間ランキングで最大3位まで食い込んだ実績を誇ります。

それでは、傑作と評判高い『A』の全曲紹介にいってみましょう!

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1.かっこいいジャンパー

今でもライヴのセットリストでよく見かける。

タイトルの通り、「かっこいいジャンパー」を見つけた、という内容の歌です。

所感ですが、このジャンパーとは「新しい音楽性」という意味ではないかと思っています。

『VITAMIN』における「HAPPY BIRTHDAY」のようなものですね。

かっこいい 見たコトない様なジャンパー
かっこいい 地元で見つけたジャンパー

サウンドはベースの効いたジャーマンテクノ。イントロのサウンドロゴ的音の詰め合わせから、シンセのコードが覆い被さってくるところで一気に幻想的な光景が広がります。

映画のプロモーションで、最近のアレンジが施された映像がYouTubeにアップされていました。高音のシンセが踊っており幻想さが増しておりますが、ライヴに合わせてかしっとりしていたアルバム版アレンジ版よりもノリやすい印象です。元はサポートに入っていたKagamiによるアレンジ版でしょうか。

作詞・作曲

作詞:石野卓球

作曲:石野卓球

再生時間

7分42秒

2.VOLCANIC DRUMBEATS

爆発的にテンションを上げていく2曲目。「かっこいいジャンパー」での静かな盛り上がりから一気にくるので、祭りの始まり感が半端ないです。

タイトルの通り噴火するようにドラムが連打され、かつドラムが前に出てくるミックスが施されています。ベースも細かいフレーズでグルーヴを刻み、さらにオーケストラヒットのような圧の強い音もアクセントで使ってくるので、トラック全体のパワーがほとばしっています。

歌詞はトラックの勢いに負けないように、語感とノリ重視でゴリゴリ突き進んでいく中身です。

脳天直撃 性転換 デモ行進 実家帰れば鯉のぼり

意味もないのにやたらと頭に残ってしまうボキャブラリーセンスは流石。

「VOLCANIC DRUMBEATS」は後述の「猫夏」と並び、『A』における個人的お気に入り楽曲のひとつです。

ちなみに、歌詞中に「アボジ!」と韓国語が入ってくるのは、李博士とコラボしてた時期近辺だからでしょうかね。

作詞・作曲

作詞:ピエール瀧 石野卓球

作曲:石野卓球

再生時間

6分54秒

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3.ポケット カウボーイ

「VOLCANIC DRUMBEATS」でぶち上がったテンションが少し落ち着く3曲め。とはいえしっかり4つ打ちのダンサブルなナンバー。

かなり細かく歌い手が切り替わるので、アナログだとなかなか面倒な編集をしているなと思わされる。

トラックはファミコンのようなチップチューン。ボコーダーを通したコーラスを加えることで、どことなく不気味さが漂っている。クラップがやたらと心地よく、

全体的に不穏な空気が流れる曲ですが、さくらももこ原作のアニメ『コジコジ』のエンディングテーマです。『コジコジ』自体がシュールな作風なので妙に親和性が高く、やたらハマってます。不穏でダンサブルな曲をノリノリで踊るコジコジを、当時の子どもたちはどんな気分で見ていたのでしょうかね…

作詞・作曲

作詞:ピエール瀧

作曲:石野卓球

再生時間

4分3秒

4.ユーのネヴァー

「ポケットカウボーイ」のチップチューンから、ファズの効いたベースシンセ強めの4曲目。地を這うようなベースとドラム大好き。

「ユー」や「ネヴァー」を始めとして、ただ単語をシャウトしてるだけで、歌詞に意味はありません。ただ、ボーカルは、リバーブとディレイが掛かっているせいで迫力があります。

作詞・作曲

作詞:石野卓球

作曲:石野卓球 砂原良徳

再生時間

4分14秒

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5.パラシュート

「ユーのネヴァー」の重さから解放されて軽やかな5曲目。

前半のいい意味で神経質そうなグルーヴ全開のテクノから、後半はジャジーな雰囲気とシンセの浮遊感で開放感を味わいそのまま締め。

歌詞も空がテーマになっており、軽やかさに拍車をかけている。

お先に失礼 アタマ軽やかにダイブダイブダイブ
空とダイブ

作詞・作曲

作詞:ピエール瀧

作曲:砂原良徳

再生時間

8分31秒

6.ガリガリ君

「パラシュート」の軽やかさはどこへやらな6曲目。太いベースと空気感溢れるキックで重みの溢れるハウスミュージックです。「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」というコーラスがやたら耳に残ります。

タイトルは皆さんご存知の赤城乳業のアイスが元ネタです。とはいえ、歌詞の中身はガリガリ君の美味しさについて語ってたりするわけではなく、語感重視の意味のないふざけたものとなっています。

俺 ガリガリ君 君 何ガリ君

問いかけられても…

作詞・作曲

作詞:電気グルーヴ

作曲:電気グルーヴ

再生時間

5分46秒

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7.猫夏

『A』唯一のインスト曲です。「ガリガリ君」のカオス空間から一気に爽やかになる7曲目。

ラテンチックな陽気なイントロにサックスの音が入ったりと、他の楽曲と比べるとかなり独自色が強いです。シンセとドラム周りの音の絡み方は大好物です。

「VOLCANIC DRUMBEATS」と並び、『A』における個人的なお気に入り曲の一つです。

作詞・作曲

作曲:石野卓球 砂原良徳

再生時間

6分56秒

8.あすなろサンシャイン

「猫夏」のダンサブルさから徐々にヘヴィなグルーヴに落とし込んでいく8曲目。このアルバムでは最長の9分超えの曲。

ピエール瀧のいい声で「あすなろサンシャイン」と歌い上げています。歌詞に意味は、やはり意味はないかと。

石野卓球が「明日はヒノキの木になろう」と歌っていますが、これはタイトルにもある「アスナロ」という木の名前の由来の一説についてそのまま歌っています。「あす(はヒノキの木に)なろ(う)」。ヒノキに似ている木だからこういう節が生まれたらしいのですが、こじつけがすぎるような…?

作詞・作曲

作詞:ピエール瀧

作曲:砂原良徳

再生時間

9分8秒

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9.Shangri-La

電気グルーヴの代表曲である9曲目。「あすなろシャンサイン」のおふざけ感から、妖しいストリングスとグルーヴィーなドラムで幻惑的な色気ある楽曲に大きくチェンジ。こういう振れ幅の大きさ大好き。

この妖しいストリングスの元ネタは、Silvettiの「Spring Rain」。この曲を軸にして制作が始まったというだけあってドハマリしています。楽曲のコアだけあって作曲者にSilvettiもクレジットされています。

歌詞も「夢でキスキスキス いつでもいつまでも」なんて、日頃絶対綴られないワードが並んでいます。

いつもの電気グルーヴとのイメージとはかけ離れている曲なので、「Shangri-La」から入って他の曲を聴くとギャップに驚いてしまうかと思います。彼らはそれを狙っているんでしょうけど。

PVは明らかにいかがわしいお店がモチーフ。タイトルと歌詞の本来の意味はそういうことなんでしょうね。そうして一般人を茶化すセンスはホント好き。

トラックは文句なしに良く、歌詞も意味はどうであれ良い、電気グルーヴの入り口としては非常に適した楽曲です。ここから沼にハマっていってもらいましょう。

作詞・作曲

作詞:電気グルーヴ

作曲:Silvetti 電気グルーヴ

再生時間

5分10秒

10.SMOKY BUBBLES

「Shangri-La」で突き抜けてきたテンションを落ち着かせる10曲目。

歌詞の内容的に、「Shangri-La」で得た夢の続きの浮遊感を描いているのではないでしょうか。夢の続きということは、あのPVからの意味を考えると「賢者タイム」を表しているのでは…と思っています。

夢の続きは覚えてるナニか 夢の続きは思い出の遥か

作詞・作曲

作詞:石野卓球

作曲:石野卓球 砂原良徳

再生時間

7分11秒

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11.ループ ゾンビ

「SMOKY BUBBLES」で浸ったアルバムの余韻を締める11曲め。

タイトルの通り、トラックがループしておりトリップ感が出てくる。トラックが非常に澄んだ音をしているので、飽きずに聞き続けられる。

最後は一瞬「山田」というゾンビが出てくる。なんで山田…?

作詞・作曲

作詞:石野卓球 ピエール瀧

作曲:石野卓球 砂原良徳

再生時間

3分14秒

まとめ

収録曲のジャンルの幅が広いため、好みの楽曲を単品で楽しむもよし、アルバムとしてそのまま全部通しで聴くと起伏も大きいのでもっと楽しめるかと思います。

全体的にふざけた意味のない歌詞が多い傾向ではありますが、それ以上にトラックの完成度がめちゃくちゃ高くて真面目でかっこいい内容になっているので、全体で見るとかっこよさがぶっちぎるというもの凄いトータルバランスをしています。

電気グルーヴ入門にはこの『A』から入るのが、ちょうどいいんじゃないかなぁと思っています。ボーカル曲が多めでしっかりテクノしており、2018年段階ででも音が古くなっていないので、違和感なく没入できるかと思います。普通のJ-POPしか聴いてないって人は『A』からですが、それなりに色々聴いてる人は『VITAMIN』や次作『VOXXX』なんかもいいかもしれませんね。

誰にでもオススメできる文句なしの名盤です。オススメ!

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Masayuki Takamura
多趣味なリーマン。音楽・ゲーム・旅行等を中心に、興味を持った事柄について取り上げていきます。