- 1.It’s a Long Way to the Top (If You Wanna Rock ‘N’ Roll)
- 2.Rock ‘N’ Roll Singer
- 3.The Jack
- 4.Live Wire
- 5.T.N.T.
- 6.Can I Sit Next to You Girl
- 7.Little Lover
- 8.She’s Got Balls
- 9.High Voltage
- まとめ
- 1.For Those About To Rock (We Salute You)
- 2.I Put the Finger On You
- 3.Let’s Get It Up
- 4.Inject the Venom
- 5.Snowballs
- 6.Evil Walks
- 7.C.O.D.
- 8.Breaking the Rules
- 9.Night of the Long Knives
- 10.Spellbound
- まとめ
AC/DCのアルバム『For Those About To Rock (We Salute You)』の全曲紹介記事です。
『For Those About To Rock (We Salute You)』は、1981年リリースのAC/DCのメジャー7枚目のアルバムです。プロデューサーは、『Back In Black』から引き続き、ロバート・マット・ランジが担当。
前作『Back In Black』が記録的な大ヒットとなった中で製作された作品ですが、『Back In Black』からサウンドはより洗練されハードロック/ヘヴィメタル具合に磨きがかかり、期待に十分応えた充実の内容となっています。アメリカではプラチナ・ディスク(100万枚売上で授与)を4回授与、つまり400万枚以上を売り上げているモンスターアルバムです。(参考:https://www.riaa.com/gold-platinum/?tab_active=default-award&ar=AC%2FDC&ti=#search_section)
1.For Those About To Rock (We Salute You)
1曲目からアルバムタイトル曲。
アンガス・ヤングがガンガンギターを掻き鳴らし、シンプルでソリッドなリズム隊が曲全体を支え、その上に金切り声のボーカルが乗っかる、完成された様式美のような音楽が展開されていきます。
曲の中盤以降から、ジャケットにもある大砲をバンバンぶっ放している音がサンプリングされています。さすがアリーナクラスのアーティスト、予算が違います。ライヴでも大砲持ち込んでバンバンぶっ放すバンドなんて、他にいないのではないでしょうか。
タイトルは、古代ローマの剣闘士についての本のタイトルが由来だとか。
(参考:https://www.allmusic.com/song/for-those-about-to-rock-we-salute-you-mt0010266222)
歌詞の中身は「ロックは正しい道へ誘ってくれるぞ!」みたいな内容。基本酒と女の話ばかりのAC/DCですが、ロックに対して向き合う時はとても真摯です。ロックに真摯だからこそ、酒と女の話ばかりになるのかもしれませんが。
PVは前作迄の方向性を継承して、ひたすらにライヴしているもの。ライヴバンドである事をアイデンティティとしている事がよくわかります。ただ、音源はライヴ音源になっており、『Back In Black』までのアテフリとは異なります。観客も入っており、ライヴの熱気をそのまま映像で撮ろう!となったのかもしれません。英断だと思います。
2.I Put the Finger On You
細かい刻みの高音リフが印象的。前曲『For Those About To Rock (We Salute You)』が全体的にミドルテンポだったのでめちゃくちゃ早く聴こえます。
タイトルからして下ネタ全開ですが、歌詞の中身もタイトルに沿った内容です。FingerをPut it, right on youとか言ってます 。
3.Let’s Get It Up
シングルカットもされた3曲目。当アルバムの他の楽曲と比較してもかなりジャキジャキしたテイストになっており、大好きな音作りです。
タイトルから何となく想像つくかもしれませんが、これも女性関係の歌。『I Put the Finger On You』ほど直接的な表現ではないにせよ、暗喩でそれっぽいことを書き綴っています。「ネジを外してプラグを入れる」みたいな感じですね。具体的な情景はご想像くださいませ。
4.Inject the Venom
リフが印象的な4曲目。音の隙間を敢えて作り、空気感やソロパートを強調することで曲全体のメリハリがついた印象を受けます。
歌詞は現状の私の英語力では理解しきれないところが多く、内容はなんとも読み切れませんでした…。「お前が悪いんだったら許さねぇ!毒をぶち込んでやる!」というなんとも任侠な世界を感じる歌詞ではあるのですが、これはマフィアとかそういう世界観なのかしら。もしくは、毒は暗喩であって全編に渡っての下ネタかもしれません。
[the_ad id=”285″]
5.Snowballs
低めの音でゴリゴリ攻めてくるハードロック。こういうのもっとちょうだい!!!
タイトルはsnowball(雪玉)の過去形?と思い調べてみましたが、snowballが「雪だるま式に増大させる」という動詞の意味を持つんですね。なるほど。
(参考:https://ejje.weblio.jp/content/snowball)
歌詞はろくでもない事が次から次へ起こっていくような内容。しかしこれまた私の英語力では理解が及ばない点が多く、何かしらの暗喩の可能性も大。もっとしっかり英語を勉強しなければならんですね…。
6.Evil Walks
リフの印象は『I Put the Finger On You』と似たような、高音に特化したような内容。
歌詞の内容は「悪魔はお前のすぐ近くにいるからな!」という感じの内容。ハードロックやヘヴィーメタルの代名詞とも認知されている「悪魔」ですが、AC/DCも例に漏れず悪魔がテーマの曲を作っています。ただ、この曲の場合、悪魔というよりは「誰かの悪意」というニュアンスである気もしています。
7.C.O.D.
テンポも抑えめ、リフもソロも非常にシンプル。このアルバムの中では最も落ち着いた曲である印象を受けます。個人的にこのアルバム収録楽曲の中で一番好きなリフは、この『C.O.D.』です。キャッチーでわかりやすくジャキジャキしている、っていう単純な理由です。ロックはシンプル・イズ・ベストなのです!
歌詞は「自分の中の悪魔の世話を云々」と言っているものの、最後の最後に「It’s curve of love」と言っているので、愛に関するお話ではあるようです。読み取れていないだけで、とんでもない下ネタなのかもしれません。
タイトルの「C.O.D.」はどんな意味かというと、歌詞の内容からして恐らく「Care Of the Devil」の略であるようです。意味が掴めていませんが、やっぱり下ネタなのだろうか…。
それ以外にも、Call of the doctorやらCash on demandといった色々な「C.O.D.」が出てきて恐らく言葉遊びの一種かと思いますが、どのワードも尽く下ネタに見えてくるのがAC/DCの凄いところです。
また、「C.O.D.」を辞書を引いてみると魚のタラとか、Cash On Delivery(代引き支払い)の略とか出てきました。この曲とは関係なさそうですね。
8.Breaking the Rules
前曲までのジャキジャキとしたハードロック路線の曲が続いたところに、渋いブルース系統の楽曲が投入。スピード感溢れる激しい楽曲も勿論いいですが、こういうミドルテンポでしっかり聴かせられる演奏ができるのはAC/DCの良いところですね。
歌詞は「下らないお前のルールなんかに従うつもりはないぜ!ハードな生活なんて御免だね!」と反逆精神全開の内容です。
9.Night of the Long Knives
深くえぐってくるタイプのアッパー気味なリフではありますが、「Breaking The Rules」に引き続きブルース色の強い楽曲。
タイトルの元ネタは、1934年にドイツで発生した大規模粛清事件「長いナイフの夜事件」でしょう。歌詞の中身も、裏切りが大きなテーマとして取り上げられています。
10.Spellbound
最後もしっとりしたブルース要素の強い楽曲で締め。初めて聴いた時は、ジャキジャキした音でもしんみりできるものなのかと感動したものです。
「Spellbound」を辞書で引いてみると「魔法にかかった、うっとり」という意味であるそう。(参考:https://ejje.weblio.jp/content/spellbound)
この歌詞も理解が難しい内容でしたが、前曲「Night of the Long Knives」からの繋がりを考えると、ナチスドイツに粛清の攻撃を受けた突撃隊の心情を描いたものではないかと思っています。
My feet have left the ground
I’m spinning round and round
Spellbound, my world keeps a tumbling down
粛清によって大混乱している様を読み取りました。色々と振り回され、世界が崩壊していっている、という感じでしょうか。
まとめ
社会的なテーマも織り込み、ハードロックやヘヴィメタルに寄せてより洗練された楽曲が盛りだくさんのアルバムです。AC/DCのかっこよさを存分に感じられるという意味で、非常におすすめのアルバムです!
ただ、完全に個人的な好みですが、高音域が抑えられてシャリシャリした音となっている点が少々気になりますかね。初期のドンシャリ傾向のジャキジャキした音が大好きなのですが、その音は次作『Flick of the Switch』で復活することとなります。
また、このアルバム楽曲の歌詞は読み取りが難しいものが多かったですので、誰か正しい解釈知ってる方いたら教えてください…!
それでは!